スマホ決済サービスを利用する上での懸念事項でもある「不正利用問題」。
実際にPayPayで生じた問題でもあり、スマホ決済の方法がよくわからない方やセキュリティ対策が不安に感じる方にとっては、スマホ決済サービスを利用し始めるのを躊躇してしまうでしょう。
不正利用が認められた場合、イメージ的には何らかの補償が受けられると考えますよね。
ただし、こういった部分は利用規約などをしっかり読んで理解しなければなりませんので大変です。
今回はd払いが不正利用された場合の補償内容についてまとめていきます。
d払いが不正利用された場合の補償はあるのか?
スマホ決済サービスが不正利用された場合、ユーザーとしては損害を被ったことになります。
ユーザーに過失がないのであれば、不正利用された金額が何らかの形で補償されると考えられますが、そこはサービス側との利用規約に依存する部分でもあります。
まずは、d払いの「利用規約」の文面をみていく中で、補償についてd払い側がどのような立場をとっているのかを明らかにしていきます。
d払いご利用規約では不正利用の補償はないと明記されている
規約第6条には「売買契約等」に関する内容が記載されています。
この一部を文面通り取り上げていくとこのような内容となっています。
- 第6条第1項
「お客さまによる商品等の購入又は利用は、お客さまとd払い加盟店との間の取引です。
当社はその取引の当事者ではなく、商品等につきいかなる保証もせず、また一切責任を負うものではありません。
ただし、当社が自ら商品等を販売又は提供する場合は、この限りではありません。」
- 第6条第4項
「売買契約等の解除・取消し・無効その他の理由により、d払い加盟店がお客さまに商品等購入代金を返還すべき場合でも、当社は、一旦支払を受けた商品等購入代金についてはお客さまに返還する義務を負わないものとします。」
これらの内容を要約すると、基本的には不正利用に伴う補償について、d払い側は責任を負わないという姿勢を取っています。
「売買契約などの解除、取消、無効などの理由」というのは、ここに不正利用による購入も含まれると考えられます。
そういった場合でも、d払いから補償を受けることは基本的にできません。
フィッシング詐欺については補償対象に
d払いに登録したクレジットカードを利用した不正利用等についてはd払いとしては補償しないことが明記されていますが、これはについてクレジットカード会社による保証があることはお伝えしました。
一方、フィッシング詐欺のように、SMSなどで送られてきたフィッシングサイトへのリンクをクリックして、
- dアカウントのID
- パスワード
- ネットワーク暗証番号
- クレジットカード情報
これらの情報を自分自身の手で流出させてしまった場合の不正利用については自分自身で引き起こした責任ということで全く保証されませんでした。
しかし、d払いでは最近の急速なスマホ決済普及によりフィッシング詐欺の被害も増加する可能性があると判断してフィッシング詐欺も補償の対象とすることが発表されました。
他のスマホ決済ではフィッシング詐欺のような自分自身にも落ち度のある不正利用については補償していない中での英断といえます。
これに続いて他のスマホ決済でもフィッシング詐欺に対する補償が改善されるといいですね。
安全性は大丈夫?d払いアプリのセキュリティ対策まとめd払いで不正利用されたらどんな対応をすればいい?
ここまで利用規約を読み解いてみると、d払いで不正利用された場合でもd払いからの補償は受けられないという解釈ができます。
それだと、不正利用されても何ら補償が受けられないと考えてしまうかもしれません。
しかし、実際はそうではなく、あくまでd払い側が責任を負う以外の形で補償を受けることは可能です。
例えば、d払いはクレジットカードを登録して利用することができますが、不正利用された場合はクレジットカードの利用明細に不正利用された決済履歴が残ると思います。
この場合、カード会社に不正利用されていることを問い合わせて、補償を受けることはできます。
つまり、d払いのサービスとして補償をしてくれないから不正利用に対しては何もサポートがないわけではなく、補償をする義務が生じる会社が異なると理解できます。
また、このような姿勢は何もd払いに限ったことではなく、PayPayやLINE Pay、楽天ペイなどの主要なスマホ決済サービスであれば、どこも同じような規約内容となっています。
あくまで決済における不正利用であることから、支払い方法に準じた補償対応を取っていくことが説明されています。
これらの内容をまとめると、もしもd払いで不正利用されてしまった場合には、d払いに問い合わせる前に、カード会社に報告をして、然るべき対応を求めるようにしましょう。
PayPayはなぜ全額補償したのか?
不正利用に対する補償の話になるとPayPayの話題が思い出されますよね。
PayPayの不正利用問題は大きな話題になり、スマホ決済サービスに対する懸念が増した出来事でもありました。
PayPayはこの不正利用問題に対しては、不正利用の被害について全額を補償するといった対応をとりました。
この姿勢は先ほどのd払いとは異なるものですが、これはどうしてなのでしょうか?
理由としては、PayPayで生じた不正利用問題が、PayPay側のセキュリティ上の不備であったことが挙げられます。
クレジットカード登録に対して何ら制限がなく、不正利用に対してフリーパス状態だったこともあり、そういった責任を指摘された結果、PayPay側が責任を負う形になったと考えられます。
d払いの場合、システム上のセキュリティ対策は整っており、不正利用されるとしてもそれはd払い側の責任ではないと考えられるため、d払いではなくクレジットカード会社への連絡が不正利用被害にあった際の然るべき対応方法となります。
PayPayの不正利用による被害は全額補償?実際の不正利用被害から対応例までご紹介します!d払いの補償内容まとめ
スマホ決済サービスでは、不正利用問題もあったためセキュリティや補償内容など、規約をきちんと確認しておく必要があります。
補償に対するサービス側の姿勢を理解し、トラブルが生じた場合の対応を事前に知っておきましょう。
d払いでもLINE Payなどの主要スマホ決済サービスと同じように、不正利用に対して一切の責任を負わないことが明言されていますが、これはd払いに責任のある不正利用が起こらないと考えているからでもあります。
仮にPayPayのような自社システムに致命的な欠陥があり、そこを突かれた形での不正利用であればd払いも態度を改めるはずです。
しかし、セキュリティ上の問題がないのに不正利用の被害にあった場合はクレジットカード会社が然るべき対策を取ってくれます。
万が一、d払いを利用して不正利用の被害にあった場合は、まずクレジットカード会社に連絡をするということを忘れないようにしましょう。
【必読】クレジットカードよりもスマホ決済をオススメするセキュリティ上の理由
コメント